セカンド同様に守備範囲が広い上に、守る位置が深く打球をさばく比率が非常に多いポジションです。従って俊敏性や強い肩が必要です。加えて緩いゴロに対するすばやいダッシュ力がなくてはランナーの足に負けてしまいます。ローイングスもケースごとに使い分けねばならず、併殺プレー、牽制、中継プレーなどの多くのプレーに関係する「内野の華」ですね。
■構えについて
守備範囲としては三塁後方の浅いフライやレフト前からセンター前の打球までと範囲が広く、これだけのエリアをこなす脚力、スピード、肩の力が必要となる。 投手の頭上を高いバウンドで越したり、投手の右を緩く転がるゴロは、猛ダッシュで捕球し、サイドまたはアンダーで走りながら送球できるだけの身体能力が必要。
二塁手との連携が非常に重要であるポジションでダブルプレーの際には一塁手や二塁手が捕球したボールを二塁上で処理する役割がある。また、二塁手同様カットプレーが多く、二塁を境にしてレフト側の打球を左翼手や中堅手が処理した後、ボールを中継して内野まで戻す役割がある。そのため内外野の橋渡しとして重要であり走力や判断力が求められる。守備位置の関係上左投げは向いていません。
両足を肩幅よりやや広く開き、腰とヒザは軽く曲げ、上体を前傾してバランスをとり、指先をやや外側に向けるように構えます。投球直前は両腕を身体の前方にゆったり下げ、両足の親指のつけ根あたりに体重をかけ、身体全体の力を抜いて打球にそなえます。この際にカカトを上げすぎると、前進する場合は非常に動きやすいが、左右、後方へスタートする場合に動きにくくなるので前に重心を寄せるようにしましょう。
左右に打球が飛んできたとき、スタートの第一歩はヒザと腰を曲げた低い姿勢でスタートすることが大切です。素早くスタートを切るには打者のインパクトの寸前に両足で軽く跳ねるようにしてタイミングをとり、スタートへつなげます。
■送球について
内野手は小さなモーションで素早く送球することがもとめられます。そのためには正しくボールを握り、右腕はヒジから後ろに引き、スナップをきかせて回転のよい正確な送球をします。それには、まず捕球したあと、後ろ足を送球方向にステップすると同時に前足を送球する方向に踏み出します。両足でステップするこの捕球と送球のフットワークが一連の動作でバランスよくリズミカルに行われることが大切です。右側の打球を捕った場合はノーステップで送球することがあります。ボールを正しく右手に握りかえ、右ヒジを肩の高さまで上げ重心を右(後)足に移動しながら左(前)足を送球方向にまっすぐ踏み出し、オーバースローかサイドスローでスナップをきかせて送球します。
■三塁手との関連性
サード後方や斜め後ろ方向へのファールフライもショートの守備範囲。三遊間のゴロはすばやいフットワークで、できるだけからだの中心でとるようにしたいが、時には逆シングルのキャッチも必要となる。また、サード後方へのフライはショートのほうが見えやすいので、できるだけショートが対応するようにする。
■二塁手との連携
セカンドへの打球が飛んだ瞬間にセカンドベースへ走りこみ、送球をキャッチしてベースタッチしファーストへ送球する。このためにセカンドとの連携が大事になる。なお二塁ベースにに入った勢いでスローイングに活かすことができるので、セカンドからトスを受けたら右足でベースのセンター側の角を引っ掛けるようにして一塁へ送球する。自分が動けない場合セカンドにトスするのもよい。
川﨑宗則監修 実践守備マスタープロジェクト
